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なぐりがき

なぐりがきです。過去の舞台と旅の感想を取りまとめ中。

主役もゲストもサポートクルーも、才能が溢れ出ていて大変良かった ― 2023.01.12 夜 海宝直人コンサート「ATTENTION PLEASE!」

海宝直人コンサート「ATTENTION PLEASE!」を鑑賞。

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ゲストは大貫勇輔・屋比久知奈の回。

ほかCrewとして Ema/大音智海/菅谷真理恵/村井成仁/堀川絵美 が出演。

バンドはPiano&Key×2、Gt、Bass、Drums、Reedの6人編成。

www.tohostage.com

 

 第1部はタイトルの通り"空の旅"を意識したお芝居仕立ての構成。ダンスもあるし、ちょっとした装置とか小道具なんかも出てきて、コンサートの割には細かく作りこまれていた。冒頭は「Live in Living Color」(『Catch Me If You Can』)。次の「行こうよ どこまでも」(『アラジン』)は、海宝くんの生歌唱で聴いて、改めて良い曲だなぁと。『アラジン』生で観たことないけれどこの曲はCDでリピートしまくっている。そのあとの『RENT』はあまり詳しくないが、海宝くんも出てたことあるのね。「俺のペテルブルグ」(『アナスタシア』)は、素直で真っ直ぐな歌声を聴くことができた。『アナスタシア」楽しみだな。大貫くんの「Singin' in the Rain」はもうハマリ曲というか、『雨に唄えば』日本キャストやるなら彼しかいないでしょう…。『ライオンキング』2曲の前には「機長はアフリカ出身らしい(子役時代ネタ)」みたいな導入ありつつ、「早く王様になりたい」(たぶん)を原曲キーで聴けちゃうという(しかもEmaさんは当時の出演仲間らしい)。歌っているみんなが大変楽しそうなので、ほほえましい気持ちであった。屋比久さん「チキ・チータ」(『マンマ・ミーア!』)は、あの小さな身体から出る大きなエネルギーがかっこよい。彼女、どこまでも飛んでいけそうに見える。あと真っ白な衣装がとても可愛いかった。

 そしてこの回の第1幕目玉は「想い儚き」(『王家の紋章』)を海宝くんが歌い、大貫くんが踊るという超贅沢コラボ。間違いなく日本ミュ界のトップ2人がそれぞれの本領を120%発揮されたと思うこのパフォーマンス。大変贅沢だった。海宝くんの伸びやかで感情豊かな歌声と、大貫くんの多様で雄弁な表現。また2人でクリエーションして欲しい。第1幕ラストは「You Will Be Found」(『Dear Evan Hansen』)。台詞で「雲の上はいつも青空」みたいな言葉が付されていて、仕事の疲労が吹っ飛んだ。

 

 第2幕はゲストトーク+歌で、オーソドックスなコンサート形式。最初は「Waving Through A Window」(『Dear Evan Hansen』)。これ歌ってくれたのはほんっとうに嬉しかった。海宝くんで上演してくれて良いのだが。キラキラ海宝くんとは思えない、漂う「孤独感」。なんとなく左手にギブスをしているような雰囲気も感じて。あー海宝くんで全編観たい。

 屋比久さんトークは「ミス・サイゴン」の話が多かったかな(私は観ていない…)。あと、好きなご飯のお供とか、にんじんしりしりの「しりしり」ってなんぞや…みたいなゆるふわな会話が進んでいたのに、曲「As Long As You're Mine」が始まった途端2人とも一瞬でスイッチ入って「燃え上がる愛と情熱!!おさえられん!!」みたいな、切り替えが激しすぎて「何を見せられているんだ?」と、全くついていけなかった(褒めてる)。もちろん上手い。

 大貫さんトークは、「なおくん」と呼びたいのに「海宝さん」になっちゃう!みたいなやりとりをしつつ、なぜか客も参加のストレッチコーナーが始まったり(効いた)わちゃわちゃ楽しい雰囲気。曲は「世界の王」(『ロミオ&ジュリエット』)。ライブハウス(よりはさすがに大きいけど)程度のサイズのハコで、バンドサウンド、がっつり楽器演奏も見える形でこの曲を聴くのはなかなか楽しかった。そしてこんなに音程に安心感のある「世界の王」聴くの初めてだったかもしれない……。

 インスト・他メンバーによるディズニー曲パフォーマンスを経て、第2幕クライマックスは「Gethsemane」(『ジーザス・クライスト・スーパースター』)。もはやあれはクリエで歌ってはいけない、ハコを崩壊させかねない叫び、音圧。この人がこの程度のキャパの舞台を掌握するのなんて、朝飯前なんだろうな、と思いました。曲終わりに前明かりが消えて浮き上がるシルエット。圧巻。客席も放心状態。最後は「明日への階段」(『ルドルフ・ザ・ラストキス』)。この作品全く知らないんだけど、ラストにとても良曲だった。

 

 海宝くんはもちろんうまくて、こりゃファンは通いますね…。楽しい。何歌っても「良い…」ってなる(その曲も好きになる)から、海宝くんすばらしいな…。加えてサポートメンバーのCrewたちもみな大変上手く、特に菅谷真理恵さんが大好きになりました。(わたしもあんなに歌えたらなぁ、と思うことが時々ある。)

 

 

Staff
構成・演出 藤倉 梓
音楽監督 半田彬倫
美術 池宮城直美
照明 渡邉雄太
音響 大野美由紀
衣裳 小林巨和
ヘアメイク 伊藤こず恵
振付 港ゆりか
歌唱指導 高城奈月子
稽古ピアノ 野口彰子/森 光平
演出助手 落石明憲
舞台監督 三宅崇司
制作 寺本奈央
プロデューサー柴原 愛
製作東宝株式会社